君のいいところ、1つしか思いつかない。
「何か言えよ!」
思いっきり掴まれたネクタイ。
いきなりのことで抵抗できずに、引っ張られるネクタイに息が苦しい。
「はな、して…」
あたし、何してるんだろう。
晴はあたしのことなんか何とも思ってないのに。
特別だなんて、思ってない。
気まぐれで、きっともう飽きて、ただの知り合いとしか思ってないんだから。
それなのに、なんであたしがこんな目に合わなきゃいけないの?
悔しくて、苦しくて、じわりと浮かんだ涙。