君のいいところ、1つしか思いつかない。
と。
「えーやだぁ!」
「あははっ」
突然賑やかになった入口の方に目を向けると、男子3人女子3人の高校生が入ってきたみたい。
「え、晴?」
はーちゃんの驚いた声に、思わずあたしもえっ、と振り返る。
そこには、見慣れたミルクティー色の髪。
そして、私服の晴だった。
…私服、初めて見た。
薄いストライプのシャツに、カーディガンというラフな格好。
だけどスタイルの良い晴が着るとすごくお洒落だし、首元のシルバーのネックレスが目をひく。
あたし、晴の私服も、休みの日何をしてるかも、何も知らないんだな。
急にそんなことを思って、切なくなる。