君のいいところ、1つしか思いつかない。
今日の朝のこと。
いつも通りに教室に入ったあたしの耳に入ってきたのは、三波先生が結婚するという噂だった。
三波果歩先生は蓮の好きな人だから。
昼休みのチャイムが鳴ると同時に、教室を飛び出して図書室に来た。
だけどすごく心配したのに蓮はいつもと同じ冷静な顔で本を読んでいる。
「…何が?」
やっと本から顔を上げた蓮の眼鏡越しの瞳。
いつ見ても、やっぱり綺麗で。
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