君のいいところ、1つしか思いつかない。







「晴じゃなきゃ、ダメだよ」








そう言うと、肩に埋められた顔にドクンと心臓が跳ねた。






「紗月ちゃんはさ、馬鹿だし、鈍感だし、俺に嫌いとか言うし、篠宮しか見えてないし


…でも、何でこんなに大好きなんだろうね?」







顔を上げて抱きしめていた腕を緩めてから、晴は眉を下げて笑った。






「え…」







サラ、と髪を撫でられ、引き寄せられた顔。





唇が触れるまで、あと1センチ。




そこで一瞬止まった晴は。












< 215 / 296 >

この作品をシェア

pagetop