君のいいところ、1つしか思いつかない。





「えっ…」






たった2文字の言葉の意味が理解できなくて。







「あたし…晴の、特別になりたい」






夢かもしれないと思った。



頬を赤くする紗月ちゃんが、

目の潤んだ紗月ちゃんが、

キュッとスカートの裾を握る紗月ちゃんが。




可愛くて、どうしようもなく可愛くて。





その細い肩をそっと抱き寄せた。






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