君のいいところ、1つしか思いつかない。
キーンコーンカーンコーン
鳴ってしまったチャイムに、クラスの違う晴は
「じゃあ、またね」
そう言ってあたしの頭をポンポンと撫でてから背を向けた。
その行動のひとつひとつを、女慣れしてる晴はきっと無意識にやっているんだろうけど。
それでもあたしは晴の一挙一動に、うるさいくらい心臓がドキドキする。
と、少し歩いてから振り返った晴。
「帰り、一緒に帰れる?」
「う、うん!」
「じゃあ迎えに来るね」
優しく笑った晴の笑顔に、また胸がキュンと締め付けた。