君のいいところ、1つしか思いつかない。
「いやー、おめでとう!
嬉しいよあたしも」
「ありがとう」
面白がってるだけのようにも見えるけど、はーちゃんはそう言ってくれた。
あと、伝えたい人は。
「あたし、図書室行ってくるね」
昼休み、図書室のドアを開ける。
「蓮」
振り返る蓮の表情は、きのうまでより軽くなった気がする。
「あのね、付き合うことになりました!
…ありがとう、いろいろ」
「うん、そっか、おめでとう。
こっちこそありがとな」
へへ、と笑うと、微笑み返してくれた。
蓮のこと好きになって、こんな素敵な人を好きになれて、良かったと思う。
「じゃあ、またね」
それだけ言って図書室を出ると、
「またな」
って返してくれた。