君のいいところ、1つしか思いつかない。
「はーちゃーん…」
結局トイレにも行かずに教室に戻って来たあたしは、はーちゃんに泣きつく。
「晴に飽きられちゃうかなぁ?」
しゅんとしているあたしに、驚くはーちゃん。
「なに、急にどうしたの?」
「晴って、女慣れしてるじゃん…」
「そうだね」
「あたし、もっと積極的にならなきゃ晴に飽きられちゃうかな?」
そう聞くと、はーちゃんは少し考えてから。
「うーん…今までの晴だったら、そうかもしれないけど…
晴はあんたが思ってるより紗月のこと好きだから大丈夫じゃない?」
「うー…そうかなぁ…」
自信がない。
晴はあたしといて楽しいのかな?
あたしは、すごく楽しいけど。
それは晴が楽しませてくれるからであって。
あたしは晴を楽しませられるのかな?