君のいいところ、1つしか思いつかない。
花火とキミの顔
「わぁ…!」
次の日、日曜日。
はーちゃんの家で花火大会の支度をしている。
鏡の前で、はーちゃんに施してもらったメイクを見て声を上げる。
ブラウンのアイラインはナチュラルにひいて。
ピンクのチークに、グロス。
巻いてからアップにした髪には白い花の髪飾り。
「うん、可愛い!」
満足そうに微笑むはーちゃん。
「これ…大丈夫?似合う?
キャラじゃねーよって笑われない?」
メイクも髪型も浴衣も可愛いのに、あたしがすべて台無しにしているような気がする…。
「そんなわけないでしょ!」
トン、と背中を押してくれたはーちゃんに見送られ、駅に向かった。