君のいいところ、1つしか思いつかない。
電車に揺られて一駅。
花火大会の行われる駅に着いた。
「あ、晴!」
先に来ていた晴は、改札の前で待っていてくれた。
「お、お待たせ!」
慌てて駆け寄るけど、慣れない浴衣のせいで走りにくい。
「っ、…じゃあ、行くか」
「あ…うん」
なんか、そっけない?
いつもだったらもっと喋ってくれるのに…。
って、この受け身な考えがよくないんだよね!
「楽しみだね!お祭り」
「そうだね」
…やっぱり、いつもと違う。
何だろう、何かしたかな?
…あ、やっぱり浴衣似合ってなかった!?
どうしよう、着て来なきゃよかったかもしれない…。
こっちを見てくれない晴に、しゅんとする。
浴衣、着て来いって言ったの晴なのに…。