君のいいところ、1つしか思いつかない。
しばらく並んで買えた綿あめを食べながら、また少し歩く。
「晴、カキ氷食べようよ!」
「食べる食べる!」
そう思ったものの、カキ氷のお店には綿あめの倍くらいの行列。
だけど、晴はカキ氷好きって言ってたし。
あたしもせっかくのお祭りだからカキ氷食べたいし。
どうしようか、と考えこむ。
「紗月ちゃん、俺買っていくからその辺のベンチで座ってて」
「えっ、そんなの…」
悪いよ、と言おうとした言葉を遮られた。
「下駄って歩くの大変でしょ、座っててよ」
そんなところまで気遣ってくれる晴は、本当に優しい。
…他の女の子と来た時に、下駄を履いてたのかなって。
そんなふうに考えてしまうあたしは、最低だな…。