君のいいところ、1つしか思いつかない。
晴の指差したベンチに座ってて、下を向く。
晴は、晴は、あたしのこと好きなのかな。
メイクも髪も浴衣も、似合わないって幻滅したのかな…。
「やだ…」
気まぐれじゃ嫌だ。
飽きちゃ嫌だ。
どうしたら、晴にずっと一緒にいたいって思ってもらえるんだろう。
その答えを探し続けているのに、全然見つからなくて。
気づいたら、あたし、
いつの間にかこんなに晴のこと好きになってたんだな。
そんなことを思いながら、綿あめの最後の一口を口の中で溶かした。