君のいいところ、1つしか思いつかない。





驚いて顔を上げると、晴の顔は見たことないくらい怒ってて。


目の前の2人は少し怯んでいる。




「なんだよ、男連れかよ」



面倒臭そうに顔をしかめた2人は、背を向けて歩いて行った。






「大丈夫?何もされてない?」




心配そうな顔であたしの顔を覗き込む晴に、カキ氷を2つ持ったピンクの浴衣の女の子たちが駆け寄ってくる。




「晴、大丈夫?
はいこれ!カキ氷!」




晴が、あたしが絡まれているのを見て、買ったカキ氷をこの子に預けたらしい。




「ん、ありがとう」





そうして受け取ったメロン味のカキ氷をあたしに渡した。




「ねえ晴、向こうに皆いるから一緒に花火見ようよー」

「皆のほうが楽しいし!
いいよね、彼女さんも!」



一応あたしに聞いてはいるものの、選択権なんかないみたいで。










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