君のいいところ、1つしか思いつかない。
「晴!今度遊ぼうよー」
「えー、晴はうちらと遊ぶんだよ」
「は?ずるいし」
キャーキャーと一気に騒がしくなる廊下。
その中心で笑っているのは、学年で1番イケメンで、学年で1番チャラい人。
結城 晴(ゆうき はる)。
高い身長、整った顔、ミルクティーみたいな色のふわっとした髪型。
そしてあの甘い笑顔。
まあ、モテないわけがなくて。
さらに女心をわかってる…らしい。
さり気なく車道側を歩いてくれたり、女の子の好きなお店に詳しかったり…この勢いだときっと壁ドンとかしなれてそうだな、という私の想像。
特定の彼女はいなくて、いつも日替わりで女の子とデートしてるとか。
「…どこがいいんだか」
正直私は彼の魅力を見た目以外に見出せない。
ちら、と彼を見ると、たまたま合ってしまった目をさり気なく背ける。
やっぱり、私は彼に興味がない。