君のいいところ、1つしか思いつかない。
「じゃあデートしてよ、来週の土曜日」
「は!?」
思いも寄らなかった言葉に、目を見張る。
だけど驚いたのはあたしだけじゃなくて、周りもで。
「え、何それずるい!」
「晴が自分から誘うって…」
「デートならあたしと行こうよー」
思いっきり睨まれた…。
「じゃあ、どこ行きたいか考えといてね」
動揺しているあたしに、結城くんはふっと余裕の笑みを浮かべて歩いて行った。
「嘘でしょ…」
何で、あの子達と行けばいいのに。
いや、冗談?からかってるだけ?
…そうだよね、嘘だよね。
うん、周りの女の子たち怖いし、できれば行きたくないし。
なんて自分に言い聞かせてたのに。