君のいいところ、1つしか思いつかない。
「はぁ…」
教室に戻って、吐き出したため息。
「どしたー?」
「はーちゃん…デートすることになった…」
「え…誰と?」
「結城くん」
「えっ本当に!?」
目を丸くするはーちゃん。
「え、それってどっちから誘ったの?」
「あたしからなわけないじゃん!」
へーえ、と楽しそうに笑うはーちゃん。
「やっぱり晴って紗月のこと気に入ってるわ」
「だからそれはないって…」
「晴って自分からデート誘わない人だもん」
どれだけ受け身なんだ。
というか来るもの拒まずなんだ。
だったら尚更、私とデートする必要なんかないのに…。