君のいいところ、1つしか思いつかない。
「ていうか、ボーリング苦手なのに何で今日ボーリングにしたの?」
ふと不思議に思ったことを聞くと、んー、と考える結城くん。
「なんか、元気になるかなと思って」
本当にサラッと照れることを言うよね、この人。
「…あたし元気なかった?」
「ないっていうか、空元気だった」
ああ、なるほど。
飲んでいたバニラシェイクを口から離す。
「…好きな人に、さ」
「…」
「好きな人がいたら、諦めた方がいいとと思う…?」
あたしには、どうしても分からない。
ほんの少しの可能性に賭けてみたい自分もいるし、
もうやめちゃいたい自分もいる。