君のいいところ、1つしか思いつかない。




「結城くんの好きな人って誰なの?」


「誰だと思う?」


「分からないけど」


「…馬鹿だよ」



ふ、と笑って答える結城くんは、昨日の篠宮くんと同じ表情をしていた。



三好先生を見る篠宮くんと、同じ。




そんなに好きなんだな、その子のこと。




「…本当に馬鹿」



呆れたように笑う結城くんに、そんなにバカバカ言ったら嫌われるよ、って言ったら、なぜだかまた笑ってた。






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