君のいいところ、1つしか思いつかない。
「…は、るっ」
消え入りそうに小さな声だけど、目を見て言った。
と、唇が触れてしまいそうなくらいまで近付いたそれ。
「え、っ」
あと、数ミリ。
そこで一瞬止まってから、離れた距離。
「っ、じゃあ、またな…」
パッと顔を離して、背を向ける結城くん…じゃなくて、晴。
その耳が赤い理由も、
そのあとあたしと別れてから「やっべ…」なんて呟いてたことも、
あたしはまだ知らない。