君のいいところ、1つしか思いつかない。






クレープを食べながら花がたくさんの公園を歩く。





デートで公園に行きたいなんて言う人は初めてで、何から何まで俺の調子を狂わせて。






「結城くんの好きな人って誰なの?」


「誰だと思う?」


「分からないけど」


「…バカだよ」



バーカ。


俺がこんなに好きになってやってんのに、気付かないし。


篠宮ばっかり見て、こっち見ないし。




俺、結構モテるんだよ?
俺と付き合いたい子なんて山ほどいるんだよ。



「…本当に馬鹿」



そんなにバカバカいったら嫌われるよ?なんて笑う。


じゃあ、馬鹿って言わなきゃ好きになるの?


なんて余裕のないことを考えて。


かっこ悪い。

何で、何で本当にカッコつけたい子の前では、余裕がなくなってしまうんだろう。





< 74 / 296 >

この作品をシェア

pagetop