君のいいところ、1つしか思いつかない。
近付いた距離
「おはよう、紗月ちゃん」
月曜日。
通学路で会ったはーちゃんと教室に向かっていると、後ろから掛けられた声。
ビクッと反応する体。
「あ、おはよう晴」
ニコニコ笑って手を振るはーちゃん。
嫌々振り向いて、
「お、はよう…」
だんだん小さくなる語尾。
晴…の、顔が見れない。
「い、行こっ!はーちゃん」
はーちゃんの手を無理やり引っ張って、教室に駆け込む。
「ちょっと、紗月?どうかしたの?」
真っ赤な顔のあたしを見て、ピンと思い付いたらしいはーちゃんはニヤニヤしながら、
「土曜日何かあったでしょ?」
と図星をつく。