君のいいところ、1つしか思いつかない。
一通り説明を受けてから、教科書の練習問題を解く。
えっと、ここがx=3だから…
あっ、√3だ!
問題の意味すらわからなかったのに、ゆっくりだけど解けるようになっていた。
できたよ!と正面にすわる篠宮くんを見ると、返ってきた柔らかな笑顔に胸がキュンとした。
シャーペンを持つ指は男の子にしては華奢で、すごく綺麗で。
たまに眼鏡をクイ、と上げる姿はたまらなくカッコよくて。
勉強を教えてくれる真剣な表情も、見惚れてしまうくらいだ。