君のいいところ、1つしか思いつかない。
「そういえば食堂の新メニュー食べた?
三色丼が五色丼になったんだよ」
「へえ、食べてない」
「美味しかったけど、あたしは三色の方が好きだなー」
どうしてこんなにどうでもいい話しかできないんだろう。
だけど、そんな話すら聞いてくれるのが嬉しい。
前だったらきっと、うるさいって言われるだけだった。
少しは近付けたって、思っていいのかな。
並んだ影に、頬が緩んだ。