君のいいところ、1つしか思いつかない。
嫉妬
「篠宮くん、ちょっといい?」
今日も図書室で蓮に数学を教わっていると、珍しく開いたドア。
そこから蓮を呼んだのは、三波先生だった。
「何?」
「担任の先生に個人面談を頼まれたの。
進路についての…」
一緒にいるあたしに気を使うようにチラリとこっちを見る三波先生に、
「あっ、あたしは大丈夫だよ!」
と蓮に言う。
「悪い、じゃあここ解いてて」
教科書の問題を指して、三波先生の後を出て行った蓮の背中を見送る。