君のいいところ、1つしか思いつかない。



何かあったのかな。
…こんなこともあるよね。


あたしといるより、三波先生といる方がいいと思うし。

ううん、ただ面談が長引いただけかもしれない。



…それとも。

考えたくなくて、首を振った。




帰る支度をして、バッグの中から昨日買ったグロスを取り出す。


まだ袋に入ったままの、赤いグロス。




ため息をついて、袋を開けないままもう一度バッグにグロスを戻した。







< 99 / 296 >

この作品をシェア

pagetop