【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
そのまま病室を出ると、岬がいて。
そして、その隣には。
「……和泉(いずみ)?」
なぜか私の知り合いがいた。──御橋 和泉(みはし いずみ)は、7つ年上の私のいとこだ。
私にとってお兄ちゃん的存在の和泉は、私の姿を見ると「よっ」と片手をあげる。
ちなみに和泉は、ハチさんと同じで彼らの先代らしい。
「どうしてここに?」
「んー?ちょっと私用で来たんだけどな」
入り口で、岬と会ったんだよ。
そう微笑む彼は、ぽんと片手を私の頭の上に乗せた。
「羽紗、まだ見つからねぇんだって?」
「……えぇ」
「心配か?」
「……一応ね」
言えば、「冷たい姉貴だな」と言う和泉。仕方がないじゃないの。
環境のせいにするつもりはないけれど、あの子と違って性格が悪いんだから。