【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
相変わらず優しい夕咲に、自然と笑みを浮かべて「寝不足?」と尋ねれば、
「昨日帰ってきたの深夜なんだよ~」と頭を撫でてくれた。
乃唯は、夕咲が起きたからか何も言うことがなくて。「早く来いよ」と一足先に部屋を出ていった。
「ん~、着替えてくからお前も先行ってな~」
「はーい」
立ち上がると、彼の部屋を出て、いつもの部屋に入る。──と、乃唯に引っ付いていた梓が私の元へ寄ってきた。
「そこで、羽歌ちゃんのスマホ充電してるからねっ」
「あ、ほんとだ。ありがとう」
チカチカと、スマホのランプが光っていることに気づいて通知を確認する。──と。
……羽紗から、だ。こんな朝早くに送ってくるなんて珍しい。
『ごめんねお姉ちゃんっ!
夏休み最終日って言ってたけど、色々あって3日前に戻ることになりました』
本当に、あと少しなのね。──みんなと一緒にいられるのも。
そう思ったら、なんだかとても寂しくて。
『今日も泊めて』
和泉にそれだけ送って、スマホの電源を落とした。