【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
僕が幹部として選ばれた理由は、
「ああ、そうだ。
梓、この間言ってたリスト出来た?」
「うん、できてるよー?」
「どこにデータ入ってる?」
「いつものUSBのねぇ、」
──電子機器の扱いに慣れてるから。情報を扱う担当には適任だったから。
僕が幹部に入ることになった理由である、咲乃さんは、電子機器の扱いが得意だった。
「ああ、ほんとだ。さすが梓」
「えへへっ。
こんなの僕じゃなくても出来るよ?」
──たとえば、咲乃さんとか。
言いかけたけれど、やめておいた。乃唯ちゃんの彼女である羽紗ちゃんは、彼と浮気したんだから。
未だに、乃唯ちゃんの前では咲乃さんの名前を出すことを躊躇ってしまう。
「梓はいつも仕事が早くて助かるよ」
くすっと笑ってそう言ってくれた稀沙ちゃんに、「それならよかったぁー」と返しておく。──まだ、この空気は苦手だと思う。