【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
脆くそこに佇んでいた壁が、ガラガラと音を立てて崩れていくような気がした。
僕にとって、みんなは大切な仲間で。羽歌ちゃんも羽紗ちゃんも仲間なのに。もしかすると、それは呆気なくバラバラになるのかもしれない。
そう思ったら、いてもたってもいられなくなった。
──だって、そうでしょ?
「僕、やだよ……」
「……梓?」
「乃唯ちゃん……
羽紗ちゃんのこと、好きだよね……?」
これで頷いてくれれば、何も問題はない。
だけど、乃唯ちゃんはほんのすこし瞳を揺らした。──滅多に動揺することのない彼が、わずかに反応した。
どういうことなのかわからないほど、僕だって子どもじゃないよ。
「──ごめん、帰る」
立ち上がった羽歌ちゃんが、みーくんの腕を引いて。引き止めようとすれば、羽歌ちゃんはいまにも泣きそうな顔だった。
「羽歌、ちゃん……」
「っ、どうして、なの……っ。
──素直にあなたが羽紗といてくれなきゃ、咲乃は本当に戻ってこなくなるっ」
──息が、止まった。