【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
「う、たちゃん……?」
稀沙ちゃんの声が、足場を失ったみたいに揺らいで。僕は何も言えなかった。
羽歌ちゃん……嘘でしょ?
「っ、」
「あ、おい!羽歌!」
羽歌ちゃんがはっとしたように部屋を出ていって、その後をみーくんが追いかけるように出ていく。
ぱたんと、扉が閉まった音が、どうしてかとてつもなく虚しく感じた。
「どういう、こと……?」
「咲乃の彼女が……
羽歌のことだった、って解釈が一番正しいねぇ」
ひょいひょいと、頭の上を飛び交うふたりの会話。乃唯ちゃんは小さくため息をついて。僕は思わず、乃唯ちゃんに詰め寄った。
「乃唯ちゃんっ」
「……悪い」
「っ──」
「俺が好きなのは、
はじめから羽紗じゃない」