【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
乃唯ちゃんは〝双子の姉〟の存在を、知ってしまった。
「後日、羽紗に写真を見せてもらったら
──本当に瓜二つだった」
そこで、彼はようやく、自分の間違いに気づいた。ぶつかった女の子は、本当は羽紗ちゃんではなく羽歌ちゃんだったということに。
だけど、時すでに遅し。
「羽紗のことが好きだって言っておいて、
いまさら勘違いだったなんて言えないだろ?」
みんなは、乃唯ちゃんが羽紗ちゃんを好きだと思っていた。そして、羽紗ちゃんも時期に彼を好きになっていた。
だから、乃唯ちゃんは。
「ずっと、黙ってるつもりだった。
羽紗のことを好きだって言っておけば誰も傷つけなくて済むから」
「……羽紗は、知らないんだろ」
「知らないだろうな。
でも、夕咲。俺は羽紗のことを遊びだと思ったことは一度もねぇよ」
──どうして現実は、そう甘くないんだろう。
「最低って言われても、おかしくねぇけど。
羽紗が咲乃のところに逃げたとき、本当は内心ホッとしてた」
「……なんだよ、それ」
「黙ってた俺のせいで、結果的に色んなヤツのこと傷つけて悪かった。
お前も岬も、あいつのこと好きだったのに」