【完】GUILTY BOYS －囚ワレノ姫－

違う、と夕咲ちゃんが首を横に振る。



「なんで、黙ってた……？

俺らのこと、信用してなかったのかよ……っ」



──夕咲、ちゃんは。



「なんでお前はそれをひとりで抱え込んでんだよ……！

なんで、自分の気持ち押し殺すことが最善策になるだなんて思ったんだよ……！」



羽紗ちゃんのことを好きじゃなかったことにではなくて。



──乃唯ちゃんがそれをひとりで悩んでたことに、怒ってる。



夕咲ちゃんは確かに羽紗ちゃんが好きで。誰よりも羽紗ちゃんに優しかった。でも、仲間として乃唯ちゃんのことも大好きだから。




「夕咲……」



「羽紗に言わなくても、俺らが話し合えばもっと良い結果があったかもしれねぇし、

羽紗と咲乃がふたりでどっか消えることもなかったかもしれねぇのに……っ」



「……ごめん、な」



「もう、ひとりで抱え込むなよ……。

そうやって俺ら、今まで幹部やってきたんだろ……？」



「……そう、だな」



きっと、もう夕咲ちゃんは怒ってない。



──ねぇ、僕は？いつまで、向き合うことに逃げてるの？