【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
「夕咲ちゃん、稀沙ちゃん。
──乃唯ちゃん」
怖いからって逃げてどうするんだよ。いま目の前で見ただろ。すれ違った時の、解決の仕方を。
「僕、ね……?
ひとつ年下だったから、いままでみんな僕のこと優しくしてくれて。だから、嫌われたくなくて言えなかったことがあるの」
ずっと、言わなきゃいけなかったのに。
僕は弱いから、逃げた。
でも、もう向き合えるだろ。
──彼に、償えるだろ。
「僕、中学のとき、イジメられてて」
稀沙ちゃんも、夕咲ちゃんも。
もちろん、乃唯ちゃんも。
僕の言葉を、聞き逃さず聞いてくれる。
その事実がどれだけ有難いのか、僕はもう知ってるから。あとは自分の弱さを晒すだけ。嫌われたら、また好きになってもらえるように努力すればいい。
「でも、そんな僕に
ひとりだけ、仲良くしてくれた男の子がいたんだ」
──ちゃんと、向き合ってみせるから。
【梓sideend】