【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-



「………」



「時期に誰かが言ってただろ。

だから別に、逃げることでもなかったよな」



「………」



「羽歌は、なんで乃唯の言葉聞きたくなかった?

──妹への、罪悪感?」



なんで、だろう。そんなことまで深く考えてなかった。乃唯は羽紗の彼氏。

それが頭にあったから、彼の言葉を受け入れられなかったのかもしれない。



「羽紗の彼氏だから、」



「お前の彼氏は妹選んでんのに?」




ぐさ、と胸に突き刺さるその言葉。咲乃が選んだのは、羽紗で。羽紗が選んだのも、咲乃で。──私を、ふたりして裏切った。



「……あのね、私」



認めたく、なかったのかもしれない。



でも、正直それにこだわる必要がないと思うと、随分気が楽になって。そう、だから、もういいと思うの。



「ほんとは……咲乃のこと、

かなり、吹っ切れてるはずなの」



本当は、随分前から。



だけど、どうしても。彼にこだわる理由が、ひとつだけあった。



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