【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
「私の、居場所が……
神無月以外に、欲しくて」
──それが、昔から咲乃だった。
今さらそれを、手放すのが怖くなった。彼を好きじゃないと認めてしまえば、私の居場所は神無月にしかなくて。
「お前さ、馬鹿なの?」
「……は、い?」
岬から返ってきた暴言に、訝しげに眉間を寄せる。意味がわからない。なんで私がバカ呼ばわりされなきゃいけないのよ。
──そう言いかけると同時に、タイミングを見計らったように店員さんがパフェと、いつ頼んだのか岬の分らしいコーヒーをを持ってくる。
そして「ごゆっくり」と微笑むと微妙な空気を残して去っていった。
「お前の居場所、
いま心響にあるだろ?」
「だから、」
「羽紗がいるから?
つーか、思ってたけどよ。お前って普段羽紗のこと嫌いって言いまくってんのに、なんで俺らが関わると遠慮すんの?」
「………」
「〝羽紗の居場所なんて奪ってあげる〟
とでも、言ってそうなのになお前」
「ねぇあなた、ほんとに私のこと好きなの?」
さっきから侮辱しかしてなくない?