【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-



「……は?」



「だから、心配しなくとも私をもらってくれる人が──」



「誰だよ」



「……怒ってる?」



「ああ、怒ってる。お前、なんでそうやって自分の人生無駄にすんの?そんなに簡単な人生なら俺にくれてもいいだろ」



私に好きだと言ってくれたあたりから、



岬はやけに私に全力でぶつかってくれる。




「家のためなら、俺だって努力する。

──だから、簡単に捨てんな」



「捨ててないわよ。相手、和泉なの」



和泉なら、いいや。って。



ただそう思ったから、彼との結婚を受け入れたわけで。私だって、色んなものを投げ出したわけじゃない。



──むしろ、嫌ってほどに背負ってる。



「また和泉さんかよ……」



「仕方ないでしょう、いとこなんだから」



< 121 / 368 >

この作品をシェア

pagetop