【完】GUILTY BOYS －囚ワレノ姫－

「乃唯は、ひとりっ子なのね」



「あいつが兄弟いるイメージねぇだろ……」



うん、確かに。



「ふふっ。乃唯に妹とかいたら、きっと可愛いわね。意外とシスコンになるかもしれないわよ」



「うわ、ありえそうだからやめろよ。

──つか、やっと笑ったな」



「え……」



やっと笑ったって……たしかに、私は倉庫を出てきてから全然笑ってなかったと思うけど。




「笑ってる方がお前は似合うって」



「岬が最近やたら私に甘い……」



「言葉でオトすつもりだったからな。

ま、もう彼女になったし地道に好きにさせるつもりだけど」



「……うん、頑張って」



「ふっ。覚悟しとけよ」



言ったら確実に調子に乗りそうだから、絶対に言ってあげないけど。



岬といると、ほっとする。──だから、もう。ほかに何も考える必要なんてない。そうでしょう？