【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
「……岬」
彼の背中にそっと腕を回せば、彼の肩が一瞬跳ねる。でも、「ふっ」と彼が笑ったのがわかって。
「お前のそういうとこ可愛くて好きだわ」
「っ、」
「いま顔赤いだろ?
羽歌は、あんまり経験ねぇからすぐに赤くなる」
「っ、もう、なんなのよ」
見透かされてるみたいで、なんか嫌だ。なのに居心地は良いんだから謎。
「絶対、守ってやるから」
「っ──」
「だから、安心してそばにいろ」
そんな言葉じゃ、安心なんて出来ない。意地っ張りだった私は一体どこへ行ったのか。──素直に頷くことしかできない。
「ん。じゃ、帰るか」
そう言った彼の言葉でゆっくり離れる。離れたらすぐに、手を繋がれて。
別に、これも悪くないかな。なんて。──そばにいられるわけも、なかったのに。