【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
羽紗からは、「誰にも言わないでね」というメールが来てた。
だから、誰も知らないと思ってたのに。
「俺も詳しいことは、知らねぇけど。
……たぶん、羽紗と咲乃が何か企んでる」
「………」
「そうとしか考えられないだろ」
──いったい、ふたりは何がしたいんだろうか。
もう、私は失うものなんて何もないというのに。
「羽紗が帰ってきたら、わかるだろ」
「……そうね。
あの子が帰ってきたら、みんな何も聞かずに〝おかえり〟って言ってあげて」
「羽歌ちゃん、」
「いいの」
稀沙の言葉をさえぎって、微笑む。──私の答えは、ずっと前から決まってた。
「どれだけ嫌いだって言っても、私にとって羽紗は妹で。咲乃は元カレ。
その事実は変わらないし……嫌いって口にしてもね、ふたりのことが好きなのよ」
何度嫌いだと言ったところで、羽紗も咲乃も私にとっては大切な存在だから。