【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
「だから、帰ってきたときにはおかえりって迎えてあげてね」
「………」
「これは、あの子の姉として言ってるんだから」
ふふっと笑うと同時に、手の中にあったスマホが震えた。
相手を確認すれば、和泉で。
「もしもし?」
『お前なー、また俺のところに泊まるつもりかよ』
自分の家帰れよー、と、だるそうな和泉の声が聞こえる。
声が寝起きっぽいから、寝てたのかもしれない。暇人め。
「ああ、それならいいの。
今日は岬の家にお邪魔することになってるから」
『はぁ?』
「だから今日は泊めてくれなくて大丈夫よ」
『待て待て。状況を説明しろ』
「そのままの意味じゃないの」