【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
「うん。
ちょっと葉月邪魔」
オーナーが、葉月さんを無理やり店の中へ押し込んだ。開けた視界の中で、オーナーがふわりと笑ってくれる。
そして。
「今日はね、珍しく」
視界の端に。
「ハチが、来てるよ」
──〝元トップ〟を、見つけた。
ハチさんと会ったことは一度もない。だから、彼がどんな人なのかも知らなかった。けれど、その威圧感が。
「っ、ハチさん──!」
「岬、ひさしぶりだな」
「おひさしぶりです!
最近は忙しくて行けなかったんですが元気にされてました?」
「族の先代に元気か聞いても仕方ねぇだろ」
──人を、惹き付けるオーラだった。
いつの間にか私の後ろにいたはずの岬は、ハチさんに駆け寄ってニコニコしてる。