【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
「脱ぎ出すからな……」
あろうことか、服を脱ぎ出す。マジであれは俺の前だけにしてくれ。安心できねぇだろ。
だから、酒を飲むのはあれほど禁止してたっつうのに。
『いーずーみ~っ』
「……わかった」
気まずいんだよな……。
さっき、岬と付き合うことにしたなんて、聞かされたから。壊してしまいそうで怖かった。
羽歌を無理やり自分のものにしようとしてしまう気がした。たぶん、自分を止められなくなる。
でも、羽歌を傷つけるのだけは嫌で、今日は岬のとこに泊まれって言ったのに。
「ったく、よりによって車のとめにくいとこに……」
車のキーを手に立ち上がってパソコンを閉じる。連絡を終わらせ、必要なものだけを持って家を出ると、車を走らせる。
路地のできるだけ近くに車を止めて降りると、バーへ向かった。なかに入れば、いつもより多い人数。
「早かったね、和泉」
さっき聞いたけど、ハチもいるから珍しい。