【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-



「コイツ庇ったから」



「え、羽歌ちゃんもしかして……

何かに巻き込まれたの?大丈夫だった?
その場にいたら俺が助けてあげたのに」



私たちにジュースを出しながら、彼が聞いてくる。もしかして、この人。



「フェミニスト……」



ほんの小さな声でつぶやいた私の声に、「あ?」と岬が聞き返す。



「やだなぁ、羽歌ちゃん。

俺は女の子が大切なだけだよ?」



それをフェミニストって言うんです。──そう言いかけて、口を閉ざした。っていうか、地獄耳ですよね。




「あ、そうだ。

俺のことはオーナーって呼んでくれればいいからね」



「オーナー、」



「うん」



「じゃあ……オーナーは、

岬や乃唯たちとどういうお知り合いなんですか?」



尋ねれば、ニコニコと微笑んでいた彼が、「え、お前言ってないのマジかよ」とでも言いたげな顔で岬を見る。



というより、さっきからオーナーって呼ぶたびにニコニコしてるのってどうなんですか。



「俺はね、コイツらの先代なの。

ハチとか、和泉とか知らない?」



< 18 / 368 >

この作品をシェア

pagetop