【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
「コイツ庇ったから」
「え、羽歌ちゃんもしかして……
何かに巻き込まれたの?大丈夫だった?
その場にいたら俺が助けてあげたのに」
私たちにジュースを出しながら、彼が聞いてくる。もしかして、この人。
「フェミニスト……」
ほんの小さな声でつぶやいた私の声に、「あ?」と岬が聞き返す。
「やだなぁ、羽歌ちゃん。
俺は女の子が大切なだけだよ?」
それをフェミニストって言うんです。──そう言いかけて、口を閉ざした。っていうか、地獄耳ですよね。
「あ、そうだ。
俺のことはオーナーって呼んでくれればいいからね」
「オーナー、」
「うん」
「じゃあ……オーナーは、
岬や乃唯たちとどういうお知り合いなんですか?」
尋ねれば、ニコニコと微笑んでいた彼が、「え、お前言ってないのマジかよ」とでも言いたげな顔で岬を見る。
というより、さっきからオーナーって呼ぶたびにニコニコしてるのってどうなんですか。
「俺はね、コイツらの先代なの。
ハチとか、和泉とか知らない?」