【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
12.揺れる淡い夢
「……ん、」
うるさい電子音に、目が覚める。薄ら目を開けると、眩しい光が目に飛び込んできて。優しい声が隣から聞こえてきた。
「悪い……起こしたか?」
あまりのまぶしさに目が開かないけれど、ゆっくり目を開ける。ぽんぽんと頭を撫でられてようやく視線を向けると。
「目覚まし時計……?」
「昨日間違ってスイッチ入れてたらしい。
ごめんな、まだ眠いだろ」
小さく頷いて、和泉に寄り添う。眠気によって自然と重くなるまぶたを、抗うこともなく素直に閉じた。
「眠いか?」
「ちょっと眠い……」
「ん。なら、もうちょっと寝てていいぞ」
優しいな、と思う。
和泉の手が私を引き寄せれば、感じる体温が温度を増す。というかまだ夏。暑い。
「喉かわいた……」
「ん、水とってくるから」