【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
ずき、と。胸が痛む。やっと自分の気持ちを自覚したからなのか、ひどくその言葉に傷ついてる自分がいて。
「羽歌……?」
「そう、よね……いつものことよね」
迷惑かけてごめんなさい、と再び謝ってベッドから抜け出そうとしたら、ぐっと腕を掴まれた。
「和泉、離して……」
弱々しく、声が震える。懇願する私の顔をのぞき込んだ彼は、小さくため息をついた。
「なんで、泣きそうになってんの?」
──なってない、と言い返す前に、優しく抱きしめられた。なってないのに。彼の腕があまりにも優しく私を抱きしめてくれるから。
「和泉は……私のこと、好き?」
顔を上げて問いかける。さっき目に溜まったんだろう涙で、視界の一部が滲んで見えた。
「なんで?」
「だって……
まだゴタゴタがあるからなんとも言えないけど、和泉が迷惑のかかる私に同情して付き合ってくれるのかなって思ったら、」
──どうしようもなく、泣きたくなった。
昨日の今日でこんなことを言うのはあれだけど、和泉は好きだと言ってくれてない。