【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
「羽歌」
名前を呼ばれて、また下に視線を落としていた私はゆっくり顔を上げる。そうすれば、頬に和泉の手が触れて。
──唇が、ふわりと重ねられた。
「和泉……」
どうしよう。私きっと、自分でも後戻りできないほどに和泉のことが好きだ。恋愛したくないと思ってたのに。
「離れ、ないで……」
ずっとそばにいてくれた彼が、好きだ。
くすりと妙に艶やかに微笑んだ彼は、また唇を重ねて。ほんの一瞬触れるだけで離れると、至近距離でつぶやいた。
「好きだ」
「っ……」
「俺はお前のこと好きだから、付き合いたいって思ってるし、それだけじゃ足りない」
ここも欲しい、と左手の薬指に口づけを落とされて、意味を理解した私は、自然と彼の背中に手を回していた。
「同情で付き合えるほど、
俺の片思い歴甘くみんなよ」
「片思い……?」