【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-



「ハチさんは、名前だけ……

っていうか、和泉と知り合いなんですね」



「お?和泉と仲良いの?」



「私と和泉は、いとこなので」



へぇ、と彼が言ったあと。すこし考えて、「羽歌ちゃんお姉さんなんだっけ?」と聞いてくる。



「双子の姉ですよ」



「ああ、じゃあ……

和泉の好きな子って、この子か……」



オーナーが、ぼそぼそと何かをつぶやく。それから、「双子なんだー。いいね」と何事もなかったかのように話しかけてくる。




……?なんだったんだろう。



「双子って言っても、仲悪いですよ」



「そうなの?」



「私が、妹のこと嫌いですから」



岬が、眉間にシワを寄せる。羽紗を嫌いだと言われるのが、そんなに気に食わないなら。さっさと見つけて、私を解放してくれればいいのに。



「羽歌ちゃん……優しいでしょ?」



「まさか。性格悪いですから、私」



< 19 / 368 >

この作品をシェア

pagetop