【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
「ハチさんは、名前だけ……
っていうか、和泉と知り合いなんですね」
「お?和泉と仲良いの?」
「私と和泉は、いとこなので」
へぇ、と彼が言ったあと。すこし考えて、「羽歌ちゃんお姉さんなんだっけ?」と聞いてくる。
「双子の姉ですよ」
「ああ、じゃあ……
和泉の好きな子って、この子か……」
オーナーが、ぼそぼそと何かをつぶやく。それから、「双子なんだー。いいね」と何事もなかったかのように話しかけてくる。
……?なんだったんだろう。
「双子って言っても、仲悪いですよ」
「そうなの?」
「私が、妹のこと嫌いですから」
岬が、眉間にシワを寄せる。羽紗を嫌いだと言われるのが、そんなに気に食わないなら。さっさと見つけて、私を解放してくれればいいのに。
「羽歌ちゃん……優しいでしょ?」
「まさか。性格悪いですから、私」