【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-



「あいつにとってはきっと残酷なことだろうけど、俺はお前が一番幸せになる方法を選んでくれることを望んでる」



「和泉……」



「こんなこと、俺が言ったら羽歌のためじゃなくて俺のためになるのはわかってる。

俺がお前を好きだから、自分の方に説得してるみたいに聞こえるのも自覚してる」



でも、と。



言葉を続ける和泉に、何を言うこともなく視線を向けていれば、和泉がふわりと笑ってくれた。



何もかも包み込むような、優しい笑顔で。



「お前がちゃんと向き合うために、岬を選ぶなら。

俺は、それを反対したりはしない」




──どこまでも、和泉は優しい。だから私は、彼を好きになったんだと思う。



「っ、」



「まぁ、多少はショックだからお前のこと避けるかもしれねぇけど……。

その時は、〝いとこ〟続けるから」



ああもう、何も言えなくなる。何を選べば、みんなが幸せになれるんだろう。



好意を寄せられるというのは、嬉しいことなのに。──時に、残酷だ。



「和泉……」



「ん?」



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