【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
「私、あなたが好きよ」
「………」
「咲乃や羽紗たちに裏切られた瞬間から、あなたは私を守ってくれた。
それに、好きでいてくれた」
──泣くな。最後まで。
「あなたがいなかったら、きっと私はいままで笑ってこれなかったと思うの。それぐらい、大切な存在で。ほんとに感謝してる」
目頭が熱い。
油断したら、きっと涙がこぼれる。
「だけど、私のために過去と向き合ってくれた岬と、今度は向き合いたいの。
──誰よりも傷つけて、ごめんなさい」
好きなのに、結ばれないのはこんなにも苦しい。息が出来なくなりそうで、いまにも胸が張り裂けそうで。
「……大人げないな、俺は。
さっきそれを受け入れるようなこと言っといて、ほんとは今もお前が俺のこと選べばいいのにって思ってる」
「………」
「向き合ってこいよ、ちゃんと。
──でも、お前の居場所はここにあるから。もしつらいことあったら、いつでも俺んとこ戻ってこい」
耐えきれなくて、涙が溢れた。だって、そんな優しいこと言われたら。どうしていいのかわからなくなる。
和泉を好きにならなければよかったと思うのに、その分だけ好きになってよかったと思ってしまう自分が大嫌いだ。