【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
渋々な感じはあったものの、澪はそう言って俺を家に招き入れてくれて。なんだか澪らしさを感じる一軒家だった。
まぁ、澪と澪の男の新居なんだけど。
「コーヒーいれるから、ちょっとだけ待ってて」
「……ん」
リビングに俺を通すと、そのままキッチンに入っていく。リビングに飾られた写真の中には結婚式のものもあった。
やっぱり、相手は〝あの日〟の男だ。
それを知ったところでどうしようもねぇし、俺はもう羽歌としか向き合う気もねぇけど。
「……びっくり、した。
あの頃から思ってたけど、岬は思った以上にしっかりしてるね」
コーヒーを机に置きながらそう言う澪に、「そうか?」と聞けば優しく微笑んでくれた。
それを見ただけで、俺は安心だ。
〝幼なじみ〟の役目は、充分果たした。
「しっかりしてたら……
もっと早く、来れてたと思うけど」
「じゃあ、岬にとっていまの彼女はとっても大きな存在なんだね。
その子のために来たんでしょ?」
「……まぁ」